コンクリートの劣化(3)
前回は、コンクリートの中性化により、鉄筋に錆びが発生するまでを書きました。
大まかには、
コンクリートの強アルカリ性のため鉄筋の表面に不導体皮膜が形成され錆びの発生を防いでおり、空気中の二酸化炭素との反応で、水酸化カルシウムが炭酸カルシウムに変化し強アルカリ性が酸性に近ずくことで不導体皮膜が破壊され錆びが発生し、コンクリートにひび割れが発生する。
という内容でした。
少し前のブログでも書かしていただきましたが、コンクリートには、多かれ少なかれクラック(ひび割れ)はあるもので、コンクリートの乾燥収縮によるものです。クラックがあるからと言って、直ちに、鉄筋が錆びるというものではありません。中性化が鉄筋付近まで進行していなければ強アルカリ性が保たれているため錆びは発生しません。
コンクリートの中性化を防ぐことは困難ですが、外装塗装の劣化が進んでいるようであれば塗り替えることで水の浸入を防いだり、クラックが発生しているようであれば止水処理を行うなどの防御をする必要はあるのではないでしょうか。