コンクリートの劣化(2)
前回、大気中の二酸化炭素によりコンクリートの強アルカリ性が酸性に変化していくことについて書きましたが、今回はなぜ酸性に近づくとまずいのかを書きたいと思います。
強アルカリ性のコンクリートに保護されているかぎり、内部の鉄筋は不動態皮膜なるものができ錆びることはありません。躯体を施工する段階でも、鉄筋は錆びていますが、コンクリートを流し込み鉄筋に纏わりつくことで、既に錆びている鉄筋も錆びの進行は止まり構造物には問題はありません。
不動態皮膜が形成されているかぎり水にさらされても鉄筋は錆びることはありません。しかし、コンクリートが酸性に近づくことで、不動態皮膜が破壊され、水にさらされると、鉄筋に錆びが発生します。
鉄は錆びることで体積が増えます。体積が増えることで内部からコンクリートを押し広げていきクラック(ひび割れ)が発生します。発生したクラックからさらに水が浸入し錆びの進行を進めていきコンクリートを剥がしてしまいます。
前回、外部よりも人が生活している内部のほうが中性化は進行していると書きましたが、雨水に曝されることがないため鉄筋が錆びにくいので特に問題はありません。
と、今回はここまでといたします。